より良い看護サマリーを書くために

看護サマリーを書く際のポイントをまとめてみました.参考になればいいのですが.そこそこ文章力がある人向けに作ったベテラン向けの内容になります.

1. **患者の現状を簡潔にまとめる**
– 退院時や転院時に読む人がすぐ理解できるように、患者の現在の状態や重要な事実を一文でまとめる。冗長な説明は避け、ポイントを絞る。

2. **客観的な情報を中心に**
– 主観的な意見や感想を極力排除し、事実を簡潔に伝える。特に、患者の状態や治療の経過、今後の予測などは、客観的な観察に基づく情報を記載。

3. **優先順位を明確にする**
– 多くの情報を提供する際には、重要度の高い情報を先に書く。病歴、治療経過、患者の希望などを順番に整理し、わかりやすく伝える。

4. **わかりやすい言葉で説明**
– 専門用語や略語を使いすぎない。特に、他職種の医療従事者や家族が読むことを考慮し、誰にでも理解しやすい言葉を選ぶ。

5. **フォーマットに沿って要点を整理**
– 規定のフォーマットがある場合、それに忠実に従う。フォーマットに沿うことで、読み手が必要な情報にすぐにアクセスできるようになる。

6. **正確なデータを記載**
– 数値や日付などのデータは正確さが重要。検査結果や治療内容などの具体的な数値や期間を明確にし、記録ミスを防ぐ。

7. **経過の記述は簡潔に、しかし詳細に**
– 患者の経過を記述する際には、どのような治療やケアが行われ、どのような反応があったかを的確に伝える。だらだらと書くのではなく、適切な時間軸を守りつつ、要点を捉えて記述。

8. **後のケアに必要な情報を盛り込む**
– 次に関わる医療者が必要とするであろう情報(注意すべき点、継続中の治療やケアの要点など)を明確に記載。不要な情報は省く。

9. **経過記録やカルテを活用する**
– 日々の経過記録やカルテに基づいて書くことで、重要な情報の見逃しを防ぐ。サマリーを書く際には、過去の記録をしっかり確認し、一貫性を持たせる。

10. **次のステップが明確になるように締めくくる**
– 次に何をすべきか、具体的なケアプランやアドバイスを明示することで、後の対応がスムーズに進むようにする。次のステージの医療者にとって有益な情報を含める。

これらのポイントを意識することで、看護サマリーが読み手にとってわかりやすく、次のケアがスムーズに行えるものになります。

更にどのような順序で内容を整理していけば伝わるサマリーになるかも考察してみました.以下の流れを意識するとわかりやすく、読み手にとって有益な内容になります。

1. **患者の基本情報**
– 最初に患者の名前、年齢、入院・退院日などの基本情報を簡潔に記載。基本情報は読み手が患者の背景をすばやく把握できる重要な要素です。

2. **主訴・診断名**
– 入院時の主訴(何のために入院したか)、診断名や入院の理由を簡潔に書きます。ここでは過度に詳細な説明は避け、ポイントを明確に。

3. **経過概要**
– 入院から退院までの経過を時系列でまとめます。詳細はカルテに残っているため、サマリーでは特に重要な治療や処置、反応などを簡潔に述べます。変化の大きい部分や重要な治療に焦点を当てて書きます。

4. **現在の状態**
– 退院時または転院時の患者の状態を正確に記載します。バイタルサイン、意識レベル、歩行の有無など、次の医療者が患者を引き継ぐために必要な情報を明確に伝えます。

5. **治療内容**
– 使用した主要な薬剤や実施した治療を記載。特に治療の効果や副作用については具体的に書くと、次に担当する医療者が参考にできます。詳細な処方は別の資料で確認できるため、治療のポイントに絞って書きます。

6. **患者の希望・家族の希望**
– 患者やその家族が希望しているケアや今後の治療に関する要望、または退院後の生活に関する希望を反映します。これが今後のケアプランに直結することが多いため、丁寧に書くと有益です。

7. **今後のケアに必要なポイント**
– 退院後のケアやフォローアップが必要な項目(食事制限、リハビリ、服薬管理など)を明示します。次の医療チームがすぐに対応できるように、具体的かつ簡潔に。

8. **リスクや注意事項**
– 再発リスクや、特に注意すべき点(例えば、特定のアレルギーや禁忌事項)があれば、強調して書きます。これは次の医療者が重要な情報を見逃さないための重要な部分です。

9. **結論・引き継ぎ事項**
– 今後の治療方針や引き継ぎ事項を明確に記載します。ここでは次に関わるスタッフがどのように行動すべきかが明確になるようにします。

詳細の度合いについてのガイドライン
– **重要な情報**にフォーカスする: すべての情報を詳細に書く必要はありません。特に重要な治療、変化、反応に焦点を当てます。
– **次のケアに必要な情報**を考慮する: 次に担当する医療者がスムーズにケアを続けられるように、必要な情報が漏れないようにします。
– **過剰な記述は避ける**: 読み手がすぐに理解できるように、情報は簡潔かつ的確に。詳細な内容はカルテで参照できるため、サマリーでは大枠を伝える意識で。

この流れに沿って書けば、サマリーは必要な情報を網羅しつつ、読みやすく、次に引き継がれる際にも有用なものになります。

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