1.はじめに
これは色々な本や出会いから私なりに優秀な管理職とリーダーの資質について考えた投稿です.もちろん反対意見も大いに結構ですが、私なりの見解を書いておきたいと思い、綴ります.
2.管理職とは
管理職に必要なことは自分を俯瞰して見れること。感情的になったり、正論をぶつけて相手を論破するようでは本当に職場を安定させることはできません.自分を俯瞰して見ることで、「この言葉は今必要だろうか」「部下の成長やモチベーションを保つために必要なことができているだろうか」と一歩下がって考えることができるのです.一見すると当たり前のように聞こえますが、意外とできていないのが現状.看護の世界では当然女性が多い傾向にあります.感情的になることで得することはありません.冷静に分析することが求められます.
部下をマネジメントする際には「方針と方法をちゃんと切り分けて話させる」ことが大切です。ベテラン看護師は方針を伝えることで目標や目的に沿ったケアを行うことが可能です.しかし新人や若手の看護師ではどうでしょうか.俯瞰して考えてみましょう.方針だけ話されても「具体的にどうすればいいの?」と頭の中で永遠に反芻し続けます.結果として期日までに終わらなかったということが起きるのです.こういう相手にはきちんと方法を伝えることが大切です.どの手順で行い、どこまでやれば一つの仕事が完了するのかまで細かく話すことが必要です.
部下も人間です.指示通りに動かない部下もいます.そんな時には「なんで動かなかったの」と背景まで聞くことが大切です。部下には部下なりの事情や背景があります.頭ごなしに注意しても逆効果になることがあります.
また看護の世界にはあるあるなのですが、正論を正論でぶつけすぎないことも大切です。もちろん私たちの手にかかっているのは患者さんの命です.慎重になったり、厳格にしたい気持ちはわかります.しかしその人の状態によって言い方・伝える量を変えないといけない。自分自身の成長を感じられる人は他者の成長も気づきやすい特徴にあります.長い目で見て今部下を蹴散らすのが最適か、部下の成長を考えて待つのが最適か考えていかなくてはなりません.コミュニケーションは常に自分は間違っていないかを考えることが重要です。部下の視点にも一理あることがほとんどです.現場の声に一番近いのが部下なのです.自分が全て正しいと考えるのは傲慢であり、患者の命を危険にさらす行為だともいえます.
何を言っても大丈夫という空気感を作りつつ(心理的安全性を担保しつつ)、必要に応じて部下の意見を遮ることができるといいでしょう。つけあがらせてはいけないですし、意見を聞かないのもいけません.ちょうどいいバランスが大事なのです.
3.優秀なリーダーとは
ここでは逆に優秀なリーダーがやらないこと5選を話していきます.
1.意思決定するべきことを曖昧にする。
相談事には期間、期日を決めて調整しましょう。
2.仕事を抱えている。
仕事を部下に振るのが上手だと全てがうまくいきます。自分でどうにかしたいはいきすぎると問題です。その分野の知識が明るくない人がリーダーをやった方がうまくいく場合もあります。
3.長時間の会議
会議は手段です.目的化すると問題しか起きません。皆さんも病棟会と称した目的化した会議をダラダラしていませんか.会議もちゃんと議論の下敷きを用意し、考えるべきレイヤーを分けることが大切です。人間誰しも自分の意見があります.「みんなで考える」は限界があります。みんなで話す部分と決めてみんなに伝える部分を分けることが大切なのかもしれません。
4.コントロールできないことに囚われる。
少子化や人員不足などはコントロールできません.外部環境ではなく、どうすれば対応できるかを考えていくことが時代として求められます。他院の事例を見ながら自分の病院の看護にどう転用できるかを考えることが大事だと思います。
5.抽象的なことだけをいう。
方針:抽象的。方法:具体的。
前述の通り、方針だけとか抽象的だと伝わらないと思った時に具体的な方法で伝えてあげられるといいと思います。要は使い分けが重要です。
自分で仕事を持たないこと。メンバーに仕事を振れる人が優秀なリーダー。それができるとよりよい意思決定ができるようになります。
4.部下の信頼を勝ち取るために
・スパンオブコントロール(管理限界)という考え方があります.これは一人に上司が部下をマネジメントできる人数には限りがあることです。5人から8人がいいでしょう。
職場で「これを言えない」と部下が離れる案件
・「上司を通して言って」
エスカレーションを守りましょう。
・「アイデアをテーブルに上げて、否定しないから」
心理的安全性(エイミーエドモンドソン)を意識しましょう.率直に物事を言えたり、相談したり、質問できることを言います。他には心理的柔軟性も重要です.柔軟な気持ちで関わること。コントロールできないこととできることをちゃんと切り分けることでコントロールできることに集中することができるようになります。気持ちの切り替えをしっかりできることが大切です。
・「意思決定したら自分が決めたかのように振る舞って」
意思決定する前には否定しないからアイデアを上げて。意思決定したらその決定を自分がしたかのように振る舞ってと鼓舞することで当事者意識が生まれます。他人が決めたことだからと言い加減に振る舞う中堅看護師がいるのも事実です.きちんと襟元を正すことが大切ですね.しかし意思決定をして間違うこともあります。人間だものということを伝えることもポイントで間違ってもいいんだよと伝えることで過度なストレスがかかることが防げます。軌道修正は大いに結構ではありませんか.
・「明確に指示を出す。明確にフィードバックする。」
指示だしとフィードバックはセットです.看護の世界では「振り返り」と言われていますね.
・「事実と解釈を切り分けて伝える。」
感情的になり、自分の解釈をそのまま伝えるのは危険です.できていないことに目を向けがちですが、できている部分もあるはずです.強みに目を向けて前に進むことが重要です.
5.まとめ
いかがだったでしょうか?「確かに」と思うところもあれば「それはないでしょう」と思うところもあったのではないでしょうか.あくまで私の私見ですので、必ずそうであるとはいえませんが、10年以上看護師をやっているとどうしても「こうすればいいのに」と思うことも多々あります.私の振り返りと分析を混ぜて記事を書いてみました.参考になれば幸いです.